異国の地での濃密一夜。〜スパダリホテル王は身籠り妻への溺愛が止まらない〜
 検査薬を持ち総介さんが待つ私の部屋に戻ると総介さんは「ど、どうだった?」と心配そうな表情で私の元に寄ってきた。


「やっぱり妊娠してました」


 持っていた妊娠検査薬を見せると、総介さんはその陽性の線を見てホッとしたような顔を見せた。


「あぁ、嬉しすぎると言葉が出ないものだな。本当に嬉しいよ。真緒のお腹の中に子供が、赤ちゃんがいるんだな」


「総介さん、泣いてます?」


 彼の瞳は真っ赤に充血し薄ら涙が溜まっていた。


「見ないでくれ。嬉しくて男が泣くなんて恥ずかしいだろ」


 大きな手のひらで自分の目元を隠してそっぽを向いてしまった。その仕草が可愛くて、こんなに普段は隙がなくてカッコいい大人の男の人なのに、今はなんだか可愛い。


「ふふ、どんな総介さんも大好きです。私も総介さんとの赤ちゃんを授かれて本当に嬉しい。幸せすぎます」


「これからはもっと幸せにしてあげるからね。真緒、愛してるよ」


「私も愛してます」


 お互いの愛を確かめ合うように優しく唇を重ね合った。


「これ以上真緒の蕩けた表情を見てしまうと流石に俺も我慢できなくなってしまうよ」


 困ったように溜息をつきながら顔を私の肩に埋める。


「妊娠の安定期に入ったら真緒の事、もう一度抱かせて。いや、抱くよ」
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