異国の地での濃密一夜。〜スパダリホテル王は身籠り妻への溺愛が止まらない〜
(あー、上着持ってくればよかったなぁ、少し寒いや)
自家用車で帰宅する人や、パートナーが迎えにきている人たちを横目に私は一人寒さを紛らわす為に両腕を擦りながらタクシー乗り場まで歩く。
時刻を確認しようとスマホを取り出すと後ろから聞こえて来るバイク音と共とにグイッと強く、痛い衝撃が身体に走った。
「っつた……え、嘘でしょ……」
腕に挟んで持っていたクラッチバッグが無い。引ったくりだなんて……まさか、こんな優雅な街で引ったくりなんてありえるの!? ここはウィーンだよね!? 歴史ある建物の前で引ったくりなんてするの!?
「鍵……ホテルのカードキー入ってたのに……どうしよう……」
脚の力がふっと抜けてしまいそにはその場にへたり込む。異国の地で言葉も分からない、どうしたらいいのか、思考回路が遮断されたよう。せっかく初対面の人でもちゃんと喋れたのに、あの人と話をして一人旅でも気が楽になった所だったのに、明日は観光してって充実した一日になるはずだったのに……お先真っ暗とはこういうこと言うの? へたり込んだ足にはまだ力が入らない。
自家用車で帰宅する人や、パートナーが迎えにきている人たちを横目に私は一人寒さを紛らわす為に両腕を擦りながらタクシー乗り場まで歩く。
時刻を確認しようとスマホを取り出すと後ろから聞こえて来るバイク音と共とにグイッと強く、痛い衝撃が身体に走った。
「っつた……え、嘘でしょ……」
腕に挟んで持っていたクラッチバッグが無い。引ったくりだなんて……まさか、こんな優雅な街で引ったくりなんてありえるの!? ここはウィーンだよね!? 歴史ある建物の前で引ったくりなんてするの!?
「鍵……ホテルのカードキー入ってたのに……どうしよう……」
脚の力がふっと抜けてしまいそにはその場にへたり込む。異国の地で言葉も分からない、どうしたらいいのか、思考回路が遮断されたよう。せっかく初対面の人でもちゃんと喋れたのに、あの人と話をして一人旅でも気が楽になった所だったのに、明日は観光してって充実した一日になるはずだったのに……お先真っ暗とはこういうこと言うの? へたり込んだ足にはまだ力が入らない。