異国の地での濃密一夜。〜スパダリホテル王は身籠り妻への溺愛が止まらない〜
「そうだったのか、君を一人で帰してすまなかった。怖かっただろう。もう大丈夫だよ」


 さらに私の身体は暖かさに包まれ、彼に抱き寄せられていた。優しく私の頭を撫でる手のひらが優しい。子供のように泣く私をきっと子供だと思い優しくしてくれているんだろう。私は初めて出会った人なのにも関わらず彼の腰に手を回しギュッと抱きついて子供のようにわんわん泣いた。
 人に甘える事が無かったはずの私が、自分が自分じゃないように初めて出会った彼に身をまかせ泣き縋っていたのだ。


「落ち着いたか?」


「あ、ご、ごめんなさいっ。まさか自分が引ったくりに合うなんて思ってもいなかったので取り乱しちゃいました……」


「大丈夫だよ。意外と優雅な街に見えても外国人を狙ったひったくりは多いんだ。俺がちゃんと外まで送ればよかったものの、怖い思いをさせてしまったね。バックの中にホテルの鍵が入ってると言っていたけど他に大事なものは入っていたのかな? そしたら一緒に警察に届けに行こう」


「いやっ、私がぼーっとしていたのが悪いんです! ホテルの鍵以外は少しだけ現金を入れていたくらいでスマホも無事です」


 本当スマホが盗まれなかっただけ不幸中の幸いだと思いたい。
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