異国の地での濃密一夜。〜スパダリホテル王は身籠り妻への溺愛が止まらない〜
――真緒side


 何故目の前に総介さんがいるの? ここは何処? 病室だろうか? 白いベットの上にいる私。腕には管が巻かれその先にはチャポン、チャポンと一滴ずつ等間隔に落ちる雫。管をつたり私の身体の中に入ってくる。段々と記憶が蘇ってきた。確か身体が熱っぽくて楽器をしまって立ち上がったら急に立ちくらみがしてー……


「が、楽器は!? 私落としちゃいました!?」


「楽器は大丈夫だよ。椅子の上に置いてあったからね、君だけが倒れたんだ」


「よ、よかった〜」


 どうりで少し肩や腰が痛いわけだ。倒れた時にでもぶつけたのかな? 若干お腹もチクチク痛い。


「良かったじゃないだろう! どれだけ心配したと思っているんだ! 君になにかあったら俺はっ……ずっと連絡も取れないし、そんな時に限って俺は海外で仕事だし、気が気じゃなかった。やっと会いに来れたと思ったら、っつ……本当に目を覚まして良かった……」


 スマートでいつも落ち着いている彼が初めて声を荒上げた。驚いて私は声も出ない。彼の両手が伸びてきてぎゅうっと力強く抱きしめられる。私の肩に顔を埋め震える背中、なんだかいつも落ち着いていて紳士な彼が今は小さな子供に見える。すごく愛おしと思う感情が迫り上がる。抱きしめたいけど……グッと我慢する。


「……ごめんなさい」


「いや、俺の方こそごめん、少し取り乱してしまった。真緒とデートをしたあの日、あんな終わり方で連絡も取れないし、今日やっと日本に戻って来れてすぐに真緒に会いにいったんだ。まさか君が倒れる瞬間に出くわすなんて……本当に無事で良かった。俺はやっぱり真緒が好きだ。君が倒れた瞬間を見た時血の気が引いた、君を失いたくない、どうして俺じゃダメだったのかせめて理由を教えてくれ。ダメなところは直すから」
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