クールな社長は政略結婚したウブな妻を包容愛で満たす
和優が5歳になった頃、奈津子は最愛の夫と娘を残して亡くなった。
そして悪い事は重なり…幼い和優に、心臓疾患が見つかったのだ。
若い頃の実影は、仕事より家庭を優先する男だった。
妻と娘にすべての力を注いだため、ホテル経営はワンマンな父親に任せきりだった。
10年以上に渡って、彼は大切な妻を失ったり娘は幼くして大手術をしたりという
人生で一番困難な時期を過ごしてきたのだ。
幸い娘は命を取り留めたが、その代償として…ホテルは経営危機となっていた。
実影は父親として娘の回復を喜ぶ間もなく
傾いたホテルの再建に取り掛からねばならなかった。
彼は業績回復の為に、仕事中心の忙しい日々を送る事になり
手術で何とか元気になった和優は一人ぽっちの淋しい日々を過ごす事になった。