ふんわり王子と甘い恋♡
私が用具室の前に着くまで、中からフワリくんが出てくることはなかった。
フワリくんはまだ、この中にいる……
入りたくなくて、でも入らなきゃで。
重たい足を、引きずるみたいに中に入った……
「あっれ、高橋戻ってきたの?」
「卓球のラケット、頼まれて……」
用具室の中では、あずりん先輩がバレーのネットを持ち上げていて、フワリくんが卓球台を引っ張っていた。
「あー、ラケットね。どこだっけ。すぐるー、ラケットどこー?」
「……」
フワリくんからの返事は聞こえない。
私の用事は……もう手伝いたくないの、かな。
もう関わりたくもないの、かも……
「ちょっと、なに無視してんのよ」
「……して、ねぇし。」
「してんだろーよ!」
仲のいいあずりん先輩でも無視って感じるんだから、やっぱり無視してたんだ。
それはきっと、私がいるから……