ふんわり王子と甘い恋♡
桑野が来てすぐ指示を仰ぎ、小道具に色を塗り始める。
ホラー調に塗るのは難しくて、悪戦苦闘。
少し遅れてきたヨッコと一緒に来た菊地先輩も、やっぱりお揃いのTシャツ姿。
『なんで一緒に来たの?』って聞いたら、『なんかよくわかんないけど、気づいたら一緒にいた』って、謎の答えが返ってきた。
「フワリくんと話した?」
「、……ううん、」
結局、私を捜してたなんて、やっぱり春田先輩の勘違い。
だって全然、捜してたようには見えない。
声だって掛けてこないし。
捜すほどの用事があるようには、どうしたって思えない。
「ねー、そっちに赤いペンキあるー?」
雄介先輩が、私たちを見た。
「ありませんよー」
「まじか、じゃあ取りに行かないとないっぽいね」
「俺、取ってくる、」
「おー、悪いな」
フワリくんが、ペンキを取りに美術室へ行く。
座り込む横を……すれ違う、けど。
「……。」
「、…」
なにも……あるわけがない。
これ以上なにも起きないでって、そう願ったのは私のほう。
優しくしないでって、ひどいことを言ったのだって、私のほう。
あんなことを言っておいて、今更、なにを期待しているんだろう。
「おうおう、調子はどうだーい!」
「、…」
教室に入って来たあずりん先輩を見上げたら……サザエさんヘアー。
え、あずりん先輩……主役!?