ふんわり王子と甘い恋♡
「林先生は、……高校生のとき、……好きな人、いましたか、?」
「……」
先生の手が……私の肩に触れて誘導する。
人のいない、近くの視聴覚室の中へ。
先生が座ったから、私もイスに座った。
「高校生の頃ね、いたよ、好きな人」
「……どんな人、でしたか、?」
想像もできない、先生の高校生姿。
だけど急に大人になるわけじゃないって、今ならもうわかるから。
先生にだってあったはず。
子供で……私みたいに幼い時が。
先生はどんな恋をして……どんな風に大人になったんだろう。
「先生が好きだったのは、近くの高校に通ってる学校が違う男の子でね、会えるのは帰りの駅の中だけ。駅で最初に会った時に一目惚れして……そっからはもうゾッコンだった」
一目惚れ。
先生も……一目惚れだったんだ。