ふんわり王子と甘い恋♡



視線を戻すと、あずりん先輩に冷やかされながら立ち上がるフワリくんがいた。


あずりん先輩の口元からは、思いっきり「ひゅーひゅー!」って声が聞こえてきて、

フワリくんは迷惑そうにやめろって手で抗議している。


ドアのところで待つその子の元へ、フワリくんが歩き出す。


それは紛れもなく私の真後ろで、このままじゃ、会話まで聞こえてきそうな場所。



「あっれ、スーちゃんたちは?」



気がつくと、目の前のイスにあずりん先輩が座っていた。



「あ、ミサンガ作るって、買い出しに…」

「え、まじ?そっか、高橋はお留守番?」

「はい、待機です」

「なーんだ、ずっといたなら声かけろよぉ!」

「えっ」

「え?」



声、かけてよかったの?

フワリくんとあんまりにも楽しそうにじゃれ合っていたから、2人の世界みたいだったから…


邪魔、じゃないの…?


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