ふんわり王子と甘い恋♡
「お前ら早く行けよー、校長に言われんの俺なんだかんなー」
「知らねぇよ。手伝ってんだからジュースぐらい奢れや。」
「なんだお前ら、2人して仲良く同じこと言うなよ」
「……。」
「……。」
も、ジュースなんていらない。
ジュースなんかより、もっといい物を貰った気がするから…
1歩、フワリくんが歩き出そうとしたら、フワリくんが持っていた1番上の本がパサッと落ちた。
「あ…。」
「あ、拾い、……マス」
たった5冊しかない私の中の本は、重くもなんともない。
重ねて6冊にしても、やっぱり重くない。
「……ごめ、」
「…、だいじょぶ、です」
ドクドクドクドク、バクバクバクバク。
この音がどうか、フワリくんには聞こえていませんように。
小刻みに震えている体が、どうかバレませんように。