フヘンテキロマネスク
「就職したら同棲する?」

「え、」



思ってもみなかったその言葉に、思考が一時停止する。



「真咲、就職は東京に戻るって言ってたでしょ?俺もそのつもりだったから、だから大学卒業したら、ふたりで暮らそう」

「……えっ、うれしいけど、無理してない?」

「してないよ。っていうかほんとは前から考えてた」



当たり前のようにそう言って照れくさそうに笑う。あの頃よりも大人びた顔で。


……そっか、時間が進むってことは、これから先どんどん変わっていく渚を見れるってことなんだ。それも同棲したら一番近くで感じられるのかな。


そう考えると、さっきまでは憂鬱だった未来が途端にキラキラ光って、私たちをあたたかく出迎えてくれるような気がした。

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