That's because I love you.
(……いつまで…そう思っててくれるの…?)

付き合う期間が長くなる程、彼と体を重ねる程、まりあの中の明広への恋心は膨れ上がっていってしまう。
しかし明広の態度は付き合った当初と変わらず、愛の言葉など一言も掛けてはくれなかった。



独り暮らしをしているアパートの自室の扉を開け、シンと静まり返った部屋に足を踏み入れる。

(…いつか明広さんに好きな女の人ができたら……私は…。)

ぞくっと恐怖が身体を走り抜け、思わず身震いを起こす。
力が上手く入らない足を何とか進め、ラグが敷かれた床に膝を抱えて座る。

(…最初は"一時だけでも一緒に居られたら"、なんて思ってた…。今は全然違う…明広さんと離れるなんて、いや…。…いつかお別れが来るなんて…怖くて、つらくて…。)

「……考えたくないよ。…やだよぉぉ……っ…。」

一方通行の恋の苦しさ、寂しさは、彼への愛しさと比例して募っていく。
大粒の涙が、まりあの膝にとめどなく零れ落ちていた。


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