That's because I love you.

「……あ。お前…。」
「……！」

顔を上げたまりあは、思わずビクッと体を震わせる。
目の前には、以前まりあを無理矢理バイクに乗せて連れ去ろうとした男二人組が居たのだ。

「…んなビビんなくても、もう手出さねぇよ。アイツに殺されたくねぇし。」

一人の男はそう言い足を進めようとするが、もう一人はその場を動こうとせず、まりあを見下ろしたまま切り出す。

「…つか、あんたさ～。まだ御木本と付き合ってるって正気？」
「…え…？」
「御木本と森が話してんの、この前聞いたんだけどさぁ。アイツ、あんたのこと好きとかそういう感情、全く無いみたいよ？」
「………っ…。」

男が真顔で言い放った言葉を聞いたまりあの胸に、ズキッと巨大な痛みが走る。

「あー？何だよ、わかってますって顔じゃん。」
「…お…おい、西沼…。」

"西沼"と呼ばれた男はもう一人の男の制止を無視し、ニヤニヤと気味の悪い笑みを浮かべながら、容赦なく話を続ける。