That's because I love you.
まりあのピンチ
付き合い始めて僅か三週間で体の関係にまで進んでしまった二人だが、その後の交際も意外にも順調に進んでいた。
二人は交際前までの性生活は正反対だったが、食べ物の好みや、毎日家事をしているなどの日々の生活習慣は割と似通っており、何よりも性格の相性が抜群に良く、会うといつも話が弾んだ。
優しく素朴で穏やかな性格のまりあに明広はいつも癒しを感じていたし、まりあの方も、決して口調を荒げることのない優しい明広の側に居ると心から安心出来ていた。
お互いバイトの無い放課後に数日おきに会い、食事をしたり一緒に勉強をしたりスーパーで買い物をしたり、休日には一日掛かりで遊ぶこともあった。


雰囲気の良い喫茶店を二人で探して入り、まりあが嬉しそうにコーヒーとケーキを味わう姿を自分もコーヒーを飲みながら眺めるのは、明広にとって癒しに満ちた時間だった。
女の子と性生活以外で親しくするのは初めてだったが、まりあと過ごす時間は居心地が良く、明広は人生で初めて感じる暖かな幸福の中にいた。


性行為は会う度にする訳ではないが、明広が誘えばまりあはいつも照れながらも素直に、ホテルや明広の自室について来てくれた。
明広はまりあを彼なりに大切にしていたし、彼女のことを人間的に"好き"と自覚はしていたが、自分の中に芽生えているほのかな恋愛感情には彼はまだ気付いていなかった。
ただ自分を素直に真っ直ぐ慕ってくれるまりあを、からかいながらペットの様に可愛がっていたのだ。



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