恋は塩味(ねこ神様のお通り・失恋ファンタジー)

ねこ神との生活

<ねこ神との生活・その1>

毎週末に、母が掃除と片づけで
この家に来る。
この家を売却したいと母が主張したが、何とか説得してやめさせた。

ねこ神様の(ほこら)を守りたい。
私は家の裏手の祠の前に立った。

「サビちゃん・・出ておいで!」
「みれい、来やすく呼び出すな。
俺は一応神なんだぜ」

ねこ神はイケメン風にカジュアルなジーンズと赤系の
チェックのシャツ、濃い茶色のセーターを肩にひっかけるようにまいて、茂みから出て来た。

私はねこ神に、試してみたいことがあった。

「夢で、あんたと踊ろうとしたんだけど、
靴がなくて踊れなかったのを
思い出してさ」

サビはうなずいた。
「ああ、そう言えば、お前の夢に入り込んだが・・そうだな」

その後、人の顔に尻を向けた
変態猫だから・・

「サビと踊ってみたい」
私は夢を確かめたかった。

そして、近くの木の幹に手を支え、靴と靴下を脱いだ。
ドレスではなく、ジーンズなのが残念だが・・

それでも、
裸足の足裏には、冷たいが柔らかな芝草が心地よい。
「いいよ」

ねこ神は手を差し伸べてくれた。
私はその手を取った。温かく固いが弾力がある。

肉球だったら・・かわいいんだけど・・ふと思って笑ってしまった。

「あの、王宮では・・確かワルツだ」

ねこ神が小声で言うと、
風と小鳥のさえずりが、三拍子のように聞こえてくる。

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