置き去りにされた花嫁をこの手で幸せに
『奈々美。メッセージありがとね。体調はどうなの?心配したんだよ』
すでに少し涙声のさとかの声に私まで声がうわずってくる。
「心配かけたよね。ごめんね。式にもきてくれたのにこんなことになって本当にごめんね」
『そんなこと奈々美が言わなくていいんだよ。私は奈々美の身体が心配なの。どうしてあげるのが奈々美のためになるのかわからなくて、奈々美の力になってあげたいのにどうしたらいいのかわからなくて本当にごめんね』
電話の向こうで徐々に嗚咽まで漏れ聞こえるようになってきた。
『奈々美、辛かったね。私、何かしてあげられることあるかな?』
「ないよ。いつもと同じでいて。ずっと友達でいてくれるのが一番嬉しい」
私もしゃくりあげながら涙が溢れてきた。
こんなに自然に泣けただけでもさとかのおかげだと思う。
『いつまでも友達に決まってるじゃん。だからなんでもいってよ。頼りにならないかも知れないけど奈々美のこと守るからね』
「うん、ありがとう」
『メッセージにあった沖縄って何?移動になっちゃうの?』
「うん、室長が配慮してくれてさ。実は沖縄のホテルを買収して、リノベーション案が出てたの。それが現実化してきたみたいで来年のオープン目指して私と加賀美くんで任されることになったみたい」
『加賀美くんと?さすが優秀コンビだね』
「加賀美くんは優秀かな。輝ける同期の星だからね」
『奈々美だってそうだよ。企画戦略室の星だよ。奈々美のところの部長いい人だもんね。ちゃんと手回ししてくれるなんて人として出来てるね。尊敬しちゃう。あいつ出勤してきてるんだよね。みんなから総スカン食らってるけどメンタル強いのか気にしてないみたいでさ』
悠介が普通にもう出勤してるの?
誰も悠介のこと教えてくれなかったから知らなかった。
「悠介、仕事行ってるの?」
『うん。だから室長も早く根回ししてくれたんだと思うよ。企画戦略室とは建物も違うけど同じ会社だから会う可能性あるしね』
そっか。
私のことは傷つけておきながら連絡も来ないけど本人はもう日常に戻ってるのか。
呆れちゃって笑えてきた。
どんな顔して出勤してるんだろう。
でも周りから見たら私の方が捨てられた女。みんなから面白半分に見られるんだろうなと思うだけで気が滅入りそう。
でもここで休んだら負けだ、そう思った。
悠介が平気な顔で出勤してるなら私もそうしてやる。
「月曜から行くからね。またよろしくね」
『もちろんだよ。何かあったらすぐに言ってよ。1人で悩んだらダメだよ。話したら解決することもあるんだからね。月曜日はランチを一緒に外で食べようよ。食堂はちょっとさ……』
「ありがとう」
『じゃ、また月曜日にね』
そういうと電話が切れた。
悠介が平然と働いてるなんて驚いた。
そして、いまだに私に連絡してこない図太さにも驚いている。
謝って欲しいとは言わないけれど、したことの重大さをわかっていないのだろうか。
何も言わずにこのまま終わると思ってるのだろうか。
でももう私は口を聞きたくない。会いたくない。
お父さんに式のお金も慰謝料も全て任せて私は終わりにしたい。
すでに少し涙声のさとかの声に私まで声がうわずってくる。
「心配かけたよね。ごめんね。式にもきてくれたのにこんなことになって本当にごめんね」
『そんなこと奈々美が言わなくていいんだよ。私は奈々美の身体が心配なの。どうしてあげるのが奈々美のためになるのかわからなくて、奈々美の力になってあげたいのにどうしたらいいのかわからなくて本当にごめんね』
電話の向こうで徐々に嗚咽まで漏れ聞こえるようになってきた。
『奈々美、辛かったね。私、何かしてあげられることあるかな?』
「ないよ。いつもと同じでいて。ずっと友達でいてくれるのが一番嬉しい」
私もしゃくりあげながら涙が溢れてきた。
こんなに自然に泣けただけでもさとかのおかげだと思う。
『いつまでも友達に決まってるじゃん。だからなんでもいってよ。頼りにならないかも知れないけど奈々美のこと守るからね』
「うん、ありがとう」
『メッセージにあった沖縄って何?移動になっちゃうの?』
「うん、室長が配慮してくれてさ。実は沖縄のホテルを買収して、リノベーション案が出てたの。それが現実化してきたみたいで来年のオープン目指して私と加賀美くんで任されることになったみたい」
『加賀美くんと?さすが優秀コンビだね』
「加賀美くんは優秀かな。輝ける同期の星だからね」
『奈々美だってそうだよ。企画戦略室の星だよ。奈々美のところの部長いい人だもんね。ちゃんと手回ししてくれるなんて人として出来てるね。尊敬しちゃう。あいつ出勤してきてるんだよね。みんなから総スカン食らってるけどメンタル強いのか気にしてないみたいでさ』
悠介が普通にもう出勤してるの?
誰も悠介のこと教えてくれなかったから知らなかった。
「悠介、仕事行ってるの?」
『うん。だから室長も早く根回ししてくれたんだと思うよ。企画戦略室とは建物も違うけど同じ会社だから会う可能性あるしね』
そっか。
私のことは傷つけておきながら連絡も来ないけど本人はもう日常に戻ってるのか。
呆れちゃって笑えてきた。
どんな顔して出勤してるんだろう。
でも周りから見たら私の方が捨てられた女。みんなから面白半分に見られるんだろうなと思うだけで気が滅入りそう。
でもここで休んだら負けだ、そう思った。
悠介が平気な顔で出勤してるなら私もそうしてやる。
「月曜から行くからね。またよろしくね」
『もちろんだよ。何かあったらすぐに言ってよ。1人で悩んだらダメだよ。話したら解決することもあるんだからね。月曜日はランチを一緒に外で食べようよ。食堂はちょっとさ……』
「ありがとう」
『じゃ、また月曜日にね』
そういうと電話が切れた。
悠介が平然と働いてるなんて驚いた。
そして、いまだに私に連絡してこない図太さにも驚いている。
謝って欲しいとは言わないけれど、したことの重大さをわかっていないのだろうか。
何も言わずにこのまま終わると思ってるのだろうか。
でももう私は口を聞きたくない。会いたくない。
お父さんに式のお金も慰謝料も全て任せて私は終わりにしたい。