妄想ファンタスティック
「コーヒー入れました」
コーヒー入れました〜!と部署内に声が響く。湯気立ち込めるカップを一人一人に手渡す彼女。
「ブラックですよね」
と渡されると何故か温もりがない。不安を覚えながらひと口。甘い!尋常でない程に甘い!!彼女を見遣るとこちらを気にする風も無し。通勤途中に気になったのはこっちなのに気付けば「付き合おっか?」と彼女に言われご法度の社内恋愛を続ける二人。昨夜ケンカになり困ったなぁという矢先にコレである。途方に暮れちゃうよ、とやむなくコーヒーを口にするや否や再び彼女がやってきた。湯気立ち込めるカップを携えて−続
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