猫目先輩の甘い眼差し


こっそり頭を下げ合う私達。

これから触れ合いタイムが始まるらしい。



「あの、先輩って猫派ですよね? 犬は平気なんですか?」

「うん。でもあまり接したことがないから自信ないんだよね。教えてくれない?」

「もちろん! 私で良ければ!」



そう答えると、満面の笑みで「ありがとう」と言われた。


先週、迷惑をかけて以来、顔を合わせづらくて、ちょっと気まずかったんだよね。

話せるようになって良かった。



「では今から、ワンちゃん達との触れ合いタイムを始めます」



先生と生徒さんから説明を聞き、触れ合いスタート。

まず最初に向かったのは。



「こんにちは。何ちゃんですか?」

「まめたくんっていいます。3歳の男の子です」



女子生徒の隣でお座りしている柴犬くんに挨拶した。



「おお可愛い。ちょっとまめおに似てない?」

「確かに!」



親子揃ってしゃがみ、お顔を観察。

まめおもこんな感じで、眉毛が白かったっけ。



「うわぁぁっ!」



懐かしんでいると、近くで驚く声が上がった。

ええっ⁉ か、囲まれてる……⁉
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