猫目先輩の甘い眼差し
予想を膨らませていると、第2組のチームがぞろぞろと入ってきた。
「あ! あれ樫尾くん達じゃない? ラッシュガード着てるの!」
「ラッシュガード……あぁ! 真ん中らへんにいる人達ね!」
目を凝らし、クラスメイト達の姿を捉えた。
パンツタイプのスクール水着姿の人が多い中、樫尾くんだけは、全身を覆った黒のラッシュガードを着用。
肌は全く見えないけれど、体のラインはくっきり出ていて、ガタイの良さが一目でわかる。
お菓子を売りまくって全身鍛えたのかな。
「そうだ、好みの体型の人、いた? この部分が最高だったとか」
「そうだねぇ、距離があるからハッキリとは見えなかったけど、一ノ瀬先輩はすごく綺麗だったよ。見事な逆三角形だった!」
「えっ」
ちょうど月香ちゃんが答えたタイミングで、ピーッと笛が鳴り、選手達が所定の位置へ。
一ノ瀬先輩が、すごく綺麗な逆三角形体型だったって……⁉
あぁダメダメ。もう試合始まるんだから、一旦横に置かないと。
今日は男子達の肉体美を観に来たんじゃなくて、美しい泳ぎを観に来たんだから。