猫目先輩の甘い眼差し


予想を膨らませていると、第2組のチームがぞろぞろと入ってきた。



「あ! あれ樫尾くん達じゃない? ラッシュガード着てるの!」

「ラッシュガード……あぁ! 真ん中らへんにいる人達ね!」



目を凝らし、クラスメイト達の姿を捉えた。


パンツタイプのスクール水着姿の人が多い中、樫尾くんだけは、全身を覆った黒のラッシュガードを着用。

肌は全く見えないけれど、体のラインはくっきり出ていて、ガタイの良さが一目でわかる。

お菓子を売りまくって全身鍛えたのかな。



「そうだ、好みの体型の人、いた? この部分が最高だったとか」

「そうだねぇ、距離があるからハッキリとは見えなかったけど、一ノ瀬先輩はすごく綺麗だったよ。見事な逆三角形だった!」

「えっ」



ちょうど月香ちゃんが答えたタイミングで、ピーッと笛が鳴り、選手達が所定の位置へ。


一ノ瀬先輩が、すごく綺麗な逆三角形体型だったって……⁉


あぁダメダメ。もう試合始まるんだから、一旦横に置かないと。

今日は男子達の肉体美を観に来たんじゃなくて、美しい泳ぎを観に来たんだから。
< 199 / 312 >

この作品をシェア

pagetop