猫目先輩の甘い眼差し


顔を合わせてプルプルと肩を震わせる。

零士先輩が来た途端、急いでしゃがみ込んでて。
私にケーキ渡す時も、顔を見られないようにそっぽ向いてたっけ。


店番終わった後、樫尾くんとは別れちゃったけど……きっと今頃、昨日みたいに睨まれてるだろうな。


階段を下りて、零士先輩のクラスのお店がある中庭へ向かう。



「世蘭ちゃんは後夜祭、参加する?」

「うん。1回帰って、ご飯食べてから来るつもり」

「私も。去年お菓子食べすぎて、晩ご飯入らなかったから」



夕方から始まる後夜祭。

各クラスで盛り上がるのはもちろん、体育館ではカラオケ大会やモノマネ大会が開催される。


去年はクラスのお菓子パーティに参加しただけで、体育館には行ってないんだよね。

だけど今年は──。



「そういえばさ! 今年ダンスパーティーあるよね! 一ノ瀬先輩と踊るの?」

「っ……!」



わかりやすく、ドキッと胸が高鳴った。


そう。
今年は旧体育館にて、男女ペアで参加するダンスパーティーが行われるのだ。
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