猫目先輩の甘い眼差し


トラ美ちゃんの顔と颯くんの顔が画面いっぱいに写っていて、とてもインパクトが強い。



「おお可愛いじゃん。けどめっちゃドアップだな」

「トラ美の可愛さを全面に押し出しました!」

「それなら颯いないほうがよくね?」

「はぁ⁉ ひどっ! っていうか、なんかさっきから当たり強くない⁉」



再び郁海が意地悪そうに口を挟んだ。


「テンションが上がるのはいいけど、俺が話せる暇も作れ」って。

さっきからめちゃめちゃしゃべってるもんな。
部活に行けない分、話したいことがたくさんあったんだろう。


話を広げようと、自分もスマホを取り出す。

先月オープンキャンパスで撮った、くじゃくの写真でも見せるか。



「おっ」



電源ボタンを押してスリープモードを解除すると、市瀬さんからメッセージが届いていた。

6件も? なんだろう? 写真かな?



「っ……!」



ワクワクしながらタップすると、出てきたのはベルちゃんとトラ吉くんの写真。


うわぁぁ、寄り添って寝てるぅぅ。可愛いぃぃ。


……って、ん? これは……。
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