猫目先輩の甘い眼差し
「零士さん? どうしました?」
「えっ? あぁいや、なんでもない」
郁海に呼ばれて我に返る。
危ない危ない。顔がニヤついてた。
既読にしちゃったけど、今は記念会中だから、返事は後で送ろう。
アプリを閉じようとしたら。
「……お前、市瀬さん見てニヤついてたのかよ」
運悪く、横から覗いてきた雷夜に見られてしまった。
「可愛い後輩をやらしい目で見るなんて……この変態部長が!」
「見てない! 見てたのは猫だって!」
ソッコーで否定したものの、後輩2人の顔が引きつっている。
アホ雷夜……っ!
誤解を生むような言い方しやがって……!
ツーショットが並ぶ中、スリーショットが交ざってたから、間違えちゃったのかな? って思ってただけなのに。
「もしかして、市瀬さんのこと好きなんですか……⁉」
「っ……!」
颯くんに尋ねられ、心臓がドキッと音を立てた。
「……零士さん、水くさい」
「……まだ何も言ってないんだけど」
「そうですけど、違うならさっきみたいにすぐ否定しません?」
「…………」