西岡三兄弟の異常な執着~After Story~
「当たり前だ!
“sima”はもう完全に、西岡電力が飲み込む」
「要するに“吸収合併”だね」
「で、完全に手続きが終わったら、秀実とは“離婚”なんでしょ?」

「え………」
三兄弟の言葉に、固まる秀実。

「まぁ、そうだよね。しかも君、ネットで晒し者にされて“からの”離婚だから、心身共にぼろぼろだね~」
紫苑は、哀れむかのように言った。

「そ、そんな……
お願いします!許してください!!しかも、家族まで……」
「あ?」
「無理だよ」
「無理ー」

「だからぁ!言ったじゃん!
西鷹組は、本人だけじゃなく周りの人間“全て”消すって!」
紫苑が秀実の元に向かい、顔を覗き込んだ。

「それが、西岡一族のやり方だ!」
黄河の視線が刺さる。

「最初から……そのつもりで…私と結婚したんですか……?」
「そうだ。お前の親父と、取引をしてたんだ。
お前の“せいで”俺は島の全てを手に入れる。
お前の親父、資産がスゲーもんなぁ!」
「最低…」
「お前には言われたくない」
「は?」
「お前も、妃になりたかったんだろ?
西岡一族に入り込みたかった。
お前の魂胆、最初からみえみえ!」
「………」
「お前だって、俺を利用しようとしたじゃねぇか!?
欲しかったんだろ?
“西岡 黄河の妻”っていう、絶対的な肩書きが!
だから、お前の親父は取引に応じた。
言ってたぞ!
“秀実は裏切らない”って!
でも、結局………お前は親父を裏切った!」

「どうゆうこと……?」

「使用人としてこの屋敷に置いて、秀実を受け入れていいと思ったら、正式に西岡 黄河の妻にしてくれ。
でも、もし…秀実が西岡一族を裏切ったら“全て”をくれてやる」

「え………」
「だからお前の親父は、西岡家での使用人を受け入れた。でもお前は、その想いを裏切った」
「嘘…でしょ…?」

「てことで、約束通り“島一族の全て”をいただく」
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