西岡三兄弟の異常な執着～After Story～

その日の夜。
水樹、塩見、斎藤、野沢は呼び出され、一階リビングに整列していた。

一番奥のソファに黄河、カウチソファに朱雀と真白。
向かいに紫苑が座っている。

｢━━━━━と、今説明したように、秀実さんは本日から“貴女方の”使用人です。
あくまでも、貴女方の使用人。
なので、好きに使ってください｣
黄河の横に控えている森宮が、水樹達に伝えた。

｢ご主人様方がそうしろとおっしゃっるなら、ご命令通りにします。しかし、花苗様が何とおっしゃるか……
私共は、花苗様を悲しませたくありません！｣
水樹が言う。
｢私もです。花苗様は私達の癒しです。
それにお言葉を返すようですが、花苗様にもし秀実さんを助けてほしいと言われたら、私共は従うしかありません。花苗様にも、納得していただかなくては……｣
塩見もそれに、続いた。
斎藤と野沢も頷いている。

｢フッ…やはり、水樹と塩見はスゲーな｣
黄河が笑って、二人を見据えた。
｢え？｣
｢君達、今までの使用人の中で一番最高だよ！｣
｢だな！俺達にそんな口答えする奴、今までいなかったもんなぁ！｣
｢フフ…だから、俺は好きだよ！水樹さん達のこと。
だから俺は、君達に差し入れしたりするんだよ？｣
朱雀、真白、紫苑もフッ…と笑って言った。

｢｢申し訳ありません！｣｣

｢いや、俺達はお前等を信用している。
花苗のことは気にするな！｣
｢僕がちゃんと、言い聞かせるから！｣

その頃の花苗━━━━━
｢お願いします！花苗様、助けてください！｣
｢え……！？ど、どうしたんですか！？
秀実さん！？｣
秀実は呼ばれるまで自室で待機しろとの命令を破り、朱雀・花苗の部屋に来ていた。
そして花苗に助けを求めていた。

｢私はここで心を入れ直して、使用人として働きます！なので、花苗様からご主人様達を説得してほしいんです！父達には手を出さないように！｣
事情を話す秀実に、花苗は悲しそうに顔を歪めた。

｢どうして、そんなこと……
とにかく、みんなの所へ行ってきます！｣
花苗は一階リビングへ向かった。