西岡三兄弟の異常な執着~After Story~
「花苗…さ、まに謝らせて…ください」
言葉に詰まりながら言う沙羅。
花苗を様付けなんて、沙羅にとって屈辱的なことだ。

「君、お願いの仕方がなってないよ?」
朱雀が組んでいた足の上に、頬杖して言った。

「え……」
「土、下、座しろよ!下衆!」
真白が顎で、ソファの下のカーペットを指す。

「はぁ?なんで、そんなこと私がしなきゃいけないの!?」
真白の言葉に、さすがの沙羅も声を荒らげた。

「だったら、帰れよ」
黄河の言葉。
「え?」

「俺達はわざわざ、お前の為に時間を取ったのにその言いぐさはなんなんだ…!?
謝りたいんじゃなかったのかよ!?
だから言ったろ?見え透いた嘘はやめろって!」
黄河は煙草を一本咥えた。
それにすかさず火をつけた森宮。

「森宮、お引き取り願え。
これ以上、こんな下衆野郎を俺達の城に置きたくねぇ」
「はい、かしこまりました」

「早く、花苗のとこ行こ?兄さん。
花苗が一人で寂しがってるよ、きっと…!」
「苗、一人で可哀想……!
あ、そうだ!今日はゲームで負けて喜ばせてあげよっと!」
「そうだな」
三兄弟はリビングを後にしようと立ち上がる。

そして扉の前で、黄河が一度振り返り言った。
「あー、そうだ!
お前の親父の会社って、かなり有名な雑貨メーカーなんだって?
俺様的には、あんま興味ないが紫苑がかなり立腹しててなぁ」

「え………」

「珍しいんだよ?紫苑が君の父さんの会社を“あげる”なんて言ったの。
よっぽど君に恨みがあるんだろうね~」
朱雀が壁にもたれるようにして言った。

「紫苑はねちっこいからな(笑)
苗が高校の時からかなり溜め込んでたんだな、きっと恨みを!
えーと、何だっけ?
“俺の花苗ちゃんを傷つける行為は、お前がこれから味わう沢山の幸福を“地獄”に変える”
だよね!」
真白も続けていったのだった。



「明日からが、楽しみだな?下衆女」

沙羅はそこでへたりこんだのだった。

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