西岡三兄弟の異常な執着~After Story~
小さなドアから通された沙羅。

ゆっくり歩き、やっと屋敷に着いた。
改めて屋敷を見上げ、開いた口が塞がらない。

すると玄関の扉横の小さなドアから森宮が出てくる。
「深川さんですね。こちらへ」
寺門が森宮に頭を下げ、門に戻っていく。

そしてリビングに通した森宮。
「こちらへお座りになってお待ちください。
今からご主人様方をお呼びしてきます。
それにあたり、お気をつけていただきたいことがあります」

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森宮が黄河達を呼びに行っている間。
沙羅はリビング内を見渡していた。
棚に飾ってある写真立てや壁にも写真が額に入って飾ってある。なんとなく写真のある方に向かった。
だいたいが三兄弟と花苗の四人での写真だが、朱雀と花苗のツーショットもある。

とにかく綺麗で、見惚れていた。

ガチャ…とドアが開く音がなり、黄河、朱雀、真白が入ってきた。
「何をやってる」
黄河がドカッとソファに座り、沙羅を睨みつけて言った。
「ご、ごめんなさい!」
慌ててソファに座り、謝罪する。

朱雀と真白もソファに座ると、黄河が再度口を開いた。
「で?花苗に何の用だ」
「この間の同窓会でのことを謝りたくて……」
「フフ…」
「フッ…!」
朱雀と真白が吹き出す。

「な、なんですか?」
「見え透いた嘘やめろよ…!下衆女」
「は?
私はほんとに花苗に謝ろうと……」

「は━━━━?」
三兄弟の雰囲気が変わり、黒く染まった。

「え……?」
「花苗が………何?」
朱雀が首を傾げて言う。

「深川さん、僕がお話したこと……忘れたんですか?」
「あ……」
森宮が黄河の横に控えていて、まっすぐ沙羅を見据えて言った。

【黄河様はご主人様、朱雀様は若様、真白様は坊ちゃま、花苗様もさん付けや、ましてや呼び捨てなどされないようにお願いします】

「お前、謝りに来たんだよな?
だったら言い方あんだろ?しかも苗を呼び捨て!?
あり得ねぇ!!」
真白がテーブルに足を乗せ威圧した。
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