西岡三兄弟の異常な執着~After Story~
「朱…雀…?」

花苗は震えていた。
男達に捕まってるからではない。
朱雀の雰囲気にだ。

華やかだった会場内。
今は朱雀の怒りで闇のようなモノが充満していて、圧迫されたように息苦しい。

花苗は前に一度だけ、こんな朱雀を見たことがある。

あの日あの時、当時の花苗の周りの人間が“朱雀一人によって”に消された。


「あの、早く!私を離してください!
お願いします!朱雀の所に帰して!」
「は?そんなこと言われて、はいそうですか!って離すわけねぇじゃん!」

「そうじゃない!!!
朱雀を壊さないで!!お願い!ここにいる人達の為にも!!」

「は━━━━??
お前何言って━━━━━」
ザッと風を切る音がして、花苗は途端に男の手から解放された。

フッと後ろを見ると、朱雀が男の首を絞めていた。

瞬間的な動きに、花苗は声も出ない。

「うが……!!!ぐるじぃ…はなじ、でぐれ……」
「あ……す、ざ…く」

ここにいる誰も……声が出ない。
身体が動かない。
息の仕方もわからない位、固まっていた。

しばらくして、男がぐったりして命が尽きた。
「はい、終わり。
次はどれ?」
「ひっ……!!!
━━━━━!!!うがっ!!」
朱雀の目についた女性。
すぐに朱雀に首を絞められた。
そして、亡くなった。

朱雀は片っ端から、首を絞めて殺していく。

無差別に、目についた人間を一人一人………ただ、首を絞めて殺していく。

「あーそうかぁ。兄さんが言ってた、僕を壊す計画ってこの事かぁ!」
フフ…と笑いながら言って、更に殺していく。

「ほんっとバカな連中!
いい加減、学ばなきゃ!
俺から花苗を奪ったら、問答無用で死んじゃうんだよ!みーんな、壊して消してあげるよ?
この世には、俺と花苗しかいなくなるように……」
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