西岡三兄弟の異常な執着~After Story~
「朱雀!やめろ!!」
「朱兄ちゃん!!頼むから、やめて!!」
黄河と真白が、朱雀を押さえ止めようとする。

「なんで?
俺から、花苗を、奪ったんだよ?
消さなきゃ!!
そんなことする人間は、生きてちゃダメなんだよ?」
首を傾げ、黄河と真白に言った朱雀。

「あぁ、でも落ち着け!
花苗を悲しませるな!」
「朱兄ちゃん!苗を見て!恐ろしくて、震えて固まってるよ!苗を安心させられるのは、朱兄ちゃんだけでしょ?」
黄河と真白は、朱雀の目を覗き込むように真っ直ぐ見て語りかけるように言った。

「花苗?
………………花苗!?」
朱雀は花苗の元に駆け出した。
そして抱き締めた。

「朱雀…」
「花苗!!花苗、ごめんね!!ごめん!!また、僕……」
「朱雀?いつもの、朱雀だよね?」
「うん!うん!僕だよ!朱雀!」

漸く、本来の朱雀に戻った。

その後、紫苑が来て処理をした。
そしてこの事は、事件として扱われずなかったことになった。

西鷹組は、それさえもコントロールできるのだ。



花苗はこんな残酷で最低・最悪な事実があっても、朱雀達から放れられない━━━━━━━

「花苗様、眠れませんか?」
その日の深夜。
朱雀が寝たのを確認し、花苗は一人一階リビングにいた。
森宮が現れ、声をかけてきた。

「森宮さん?
いえ、寝ますよ。ただちょっと喉が渇いちゃって」
「さようですか」
「森宮さんは…」
「はい」
「どうして、私達の傍にいてくれるんですか?」

「花苗様の為です」

「え?私?」
「はい。僕は花苗様をお慕い申してます。今でも。
例え、一生想いが叶わなくても、お傍にいたいんです」
「森宮さん…」
「それは、水樹さんや塩見さん達も同じですよ」
「え……」
「西岡の一族は、普通ではない。
あり得ない事を度々行い、犯罪さえも揉み消される。
そんな世界でも、僕達は花苗様の存在が生きる支えです。だから、何があっても放れられないんです」

「…………やはり、ここの人達は“異常”ですね…」
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