レムナント
「アリス、大丈夫か?」

アランがアリスに駆け寄った。

少し腕を擦りむいただけで怪我はなかった。

「ええ、大丈夫です。」

すると、シドが険しい表情でアリスの前にやってきた。


「…お前、何を考えている!あの者達の前に出て行くなど、勝手な行動をするな」


シドの怒鳴り声にアリスは肩をびくっと震わせた。

鋭い眼差しでシドはアリスを睨んだ。


「まぁ、殿下。怪我はなかった事ですし、とにかく屋敷に戻りましょう。」

ジェーンが2人の間に入った。

シドは何も言わないまま馬に乗った。

アリスはシドに怒鳴られその場に立ち尽くしたが、アランがそっと背中に手を当てた。


「戻ろう、アリス。」


「………はい。」


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