レムナント

***

「わぁ、賑わっているわね」

アリスはルーンと手を繋いで中庭に出た。

2人は目をキラキラさせて当たりを見渡した。

その後ろで不服そうな顔で腕を組む、アランとそれにキースがいた。


「…全く。俺たちが2人の護衛か。」

キースはため息をつきながら言った。

「兵士を護衛に付けたら目立つから俺たちにと殿下の命令だ。」

アランは楽しそうにはしゃぐルーンを眺めた。


「アリスはどうだ?」

「ああ、よくやってるよ。殿下の無茶振りにもへこたれず頑張っている。」

ルーンとも仲良くやっているみたいでキースは安心した。


「殿下がアリスの事を名前で呼んでいた。」

アランの言葉にキースは驚いた。

殿下が側近を名前で呼ぶのはアランとキースだけだった。

ルナの一件から完全に心を閉ざしてしまったシド。

毎日ただ仕事をこなして行くだけのシドに側で使えるアランとキースは誰よりも心配していた。


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