今日から騎士団長の愛娘!?~虐げられていた悪役幼女ですが、最強パパはわたしにメロメロです~
『ゥ゛オロミャーーゴ(ほざけ! そのポジションならば、そなたよりもむしろ王たるわしに相応しいわい)』
『ニ゛ィヤャーーォ(なーにーをー!?)』
『キィーィキィ(王様、長老様! お止めくださいませ!)』
 ……やれやれ、なんと騒がしい。しかも、奴らはこぞって妙な声で鳴く。
「ねぇパパ? 黒ちゃんたちが来てから、とっても賑やかね。うちが一気に楽しくなったわ!」
「ああ、そうだな。楽しいな」
 不快感から皺が寄りかけていた眉間は、リリーのひと言でまっ平に伸び、口もとには笑みが浮かぶ。
 リリーが奴らと一緒で楽しいのなら、俺に否やなどない。
 ……そう、奴らが廊下の真ん中を我が物顔でドドンと陣取り、往来を妨げていようとも否やはないのだ。
 横を通りざまに、やたらボリュームのある白い毛先とちょろんと伸びた長く黒い尻尾の先を踏んずけてしまったのは不幸な事故。不可抗力というものだ。
『ゥ゛オロミャッッ(あぎゃっ!? おい若造、わしの脇腹の毛を踏んでおるぞっ!!)』
< 193 / 219 >

この作品をシェア

pagetop