今日から騎士団長の愛娘!?~虐げられていた悪役幼女ですが、最強パパはわたしにメロメロです~
 だけどいかんせん、失敗の連続。手伝おうとする意気込みと、五歳の体力がかみ合わず、見事に空回りしていたのだ。
 このままじゃ、良い子になるどころか、ますます嫌われちゃう!と焦り、今日こそお手伝いを完遂すべく意気込んでいた。
「ああ。ただいま、リリー」
「パパ、今日もお勤めご苦労様! ……あ、外套は私にちょうだい!」
 フンッと鼻息を荒くして、最後の一歩を詰め、パパの前に飛び出す。
 そうして両手を伸ばし、家令のジェームズさんが受け取るよりもひと足先にパパの外套を奪い(?)取る。ちなみに、以前の家令は横領が発覚し、既に失脚させられている。このジェームズさんは、新当主となったパパが連れてきた人だ。
 ヴッ!? 受け取った長身のパパの外套は、腕にドッシリと重い。
 パパがいつもサラリと羽織っているから全然分からなかったけど、外套ってこんなに重かったの!?
 よいしょっ! 思ったより重たいけど、なんとかなりそう。
 私は間違っても落としたりしないよう、両腕に深く抱え直した。
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