真夜中に恋の舞う
「そう、せいかーい」
「犀川くんが、私に近付いたのって、」
「そんな事情までは知らないけど、まあそうなんじゃない?」
そっか、そうだったんだ。
悔しいけれど、やっと全部納得がいった。
犀川くんは私を守るために、私と付き合うことにした。
そしてそれは犀川くんの意思じゃなくて、組織を守るための戦略だった。
犀川くんは私が好きだったわけじゃなくて、私が捕まると、尋くんが危険な目に遭うから。
北区に負けてしまうかもしれないから。
「……そっか、うん、そうだよね」
──へえ、水沢さんって俺のこと好きなんだ
──いいよ、俺の彼女になる?
あの日の犀川くんの言葉を思い出す。