真夜中に恋の舞う




「萌乃ちゃん、甘いの好き?」


「好きです!」




じゃあ、と犀川くんが連れてきてくれたのは、最近できたカフェだった。


可愛くデコレーションされたケーキやパイをおしゃれな店内で食べられると、クラスの中でも話題になっていたのを思い出す。


店内は白を基調とした内装で、洗練された大人な雰囲気だった。





「ここ、行ってみたいねってはるちゃんと喋ってました!……あ、はるちゃんはさっき一緒にいた子で……」


「そう、よかった」





休みの日に行くと行列だって話を聞いたけれど、平日の早い時間だからか列はできていなかった。

お店に入って、店員さんに「2人です」と答える犀川くん。ああ、今2人でカフェに入ってるんだ……と実感して、くすぐったくなる。





「どれがいい?」




ソファーの席に座らせてくれるのも、メニューをこっちに向けてくれるのも、バッグを受け取って荷物かごに入れてくれるのも、全てがスマートすぎて、今までいったいどんな風に生きてきたんだろうと思ってしまう。

この人は本当に王子様なのでは?




< 14 / 166 >

この作品をシェア

pagetop