真夜中に恋の舞う
「萌乃ちゃん、甘いの好き?」
「好きです!」
じゃあ、と犀川くんが連れてきてくれたのは、最近できたカフェだった。
可愛くデコレーションされたケーキやパイをおしゃれな店内で食べられると、クラスの中でも話題になっていたのを思い出す。
店内は白を基調とした内装で、洗練された大人な雰囲気だった。
「ここ、行ってみたいねってはるちゃんと喋ってました!……あ、はるちゃんはさっき一緒にいた子で……」
「そう、よかった」
休みの日に行くと行列だって話を聞いたけれど、平日の早い時間だからか列はできていなかった。
お店に入って、店員さんに「2人です」と答える犀川くん。ああ、今2人でカフェに入ってるんだ……と実感して、くすぐったくなる。
「どれがいい?」
ソファーの席に座らせてくれるのも、メニューをこっちに向けてくれるのも、バッグを受け取って荷物かごに入れてくれるのも、全てがスマートすぎて、今までいったいどんな風に生きてきたんだろうと思ってしまう。
この人は本当に王子様なのでは?