真夜中に恋の舞う
「はぁ、やっぱり尋さん格好いいなぁ」
いつもと変わらない昼休み。
賑やかな教室の中で机を二つくっつけてお弁当を食べていたとき、向かいに座っている友達の遥花ことはるちゃんが、SNSで回ってきたらしい隠し撮りのような写真を見ながらため息をついた。
私もつられるようにそのスマホの画面を覗き込んで、げ、と声を漏らした。
「やだ、はるちゃんもこういうのが好きなの?」
私が非難の声をあげると、はるちゃんがパッと顔を上げる。顎の下あたりで切り揃えられた明るい茶色の髪が、サラリと揺れる。
いつも可愛い彼女だけれど、頬を少し膨らませた顔も可愛い。
「萌乃は不良嫌いだね、相変わらず。こんなに格好いいのに!」
少し頬を膨らませながら、ほら、とスマホの画面を近づけられて、改めて画面に映る人物を見る。