大失恋したら年下王子様の溺愛が待っていました。
そんなわたしはお構いなしかのように無視して、次はプツプツとブラウスのボタンを慣れた手付きで外してゆく王子。
「王子っ、やめて…っ!」
グッ、グッ、と目いっぱいの力で王子を押しやろうとするもビクともしない。
「やだぁっ、」
怖くて震え出した身体に気付いたのか王子はハッとして下着に手を掛けていたのをやめた。
わたしはもう立っていることも出来ずに、その場にズルズルとしゃがみ込む。
「ひっ…う…っ」
静寂の中、わたしの泣き声だけが部屋に響く。
しばし立ちっぱなしだった王子がゆっくりとしゃがみ、わたしへとそっと手を伸ばしてきて、それにビクリと反応したわたしに、
「…ごめん」
「…」
謝罪の言葉を聞き、そっ…と王子のほうへ視線を向ければ今にも泣きそうな顔をしていて。
「ごめん、凛々サン」
凄く、苦しそうで。
酷くされたのはわたしの方なのに、気付けば王子の頭をふわり撫でていた。
「りりさ…」
「…無理やりは、いやなの」
「ん、ごめん」
「付き合ってもない人とするのも、いや」
「うん。…凛々サン。俺、好きなんだ。凛々サンのこと。本気で」
王子の澄んだ眼が離すまいと言わんばかりにわたしを捕らえていて。
「…男の子は、大人の女に手を出したくなる時期があるってどこかで聞いたよ。だから王子も…」
「ぶはっ!」
なぜ吹く!?
わたしは至って真剣な話をしていたのに、なぜ!?
わたしが混乱している間もずっとゲラゲラ大笑いしている王子。
笑い止まない王子に段々ムカついてきたわたしは、
「なに笑ってんのよっ」
噛み付いてやった。