桜の花びらが降る頃、きみに恋をする

学校帰り、美菜のお家に寄った。

「ねぇ、美菜」

「うん?」

「陽向のこと、どうすればいいかな? もう分かんないよ‥‥‥」

「蒼、諦めきゃだめだよ! そのまま、陽向を好きでいていいんだってば」

「で、でも‥‥‥」

「大丈夫だよ、きっと。私は、そう信じてるから」

そう言って、美菜は励ましてくれる。

美菜はいつの間にか陽向と仲直りしていて、私の恋を応援してくれる。

ありがたいけど、私はこの恋をどうしようかと考えている。

陽向を避けているのに、気がつけば陽向の姿を追ってしまっている自分がいる。

ふと、棚に並べてあったアルバムに目がいった。

「ねぇ、そこのアルバム見てもいい?」

「いいよ」

美菜の許可をもらい、アルバムを取り出す。

ゆっくりページを開くと、たくさんの写真が貼ってあった。

おもに、美菜と琉輝くんの写真。

2人はお似合いのカップルだから。

他には、4人で食べに行ったクレープ屋さんに夏祭りの時に撮った写真など。

数えきれないほどの写真。

1ページずつ眺めながらゆっくりめくっていくと、ある写真に目がとまった。
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