桜の花びらが降る頃、きみに恋をする

大切な人たち


「おはよう! 美菜、琉輝くん!」

翌日、陽向と一緒に教室に入ると2人は笑顔で迎えてくれた。

「おはよ〜! って、朝から手なんか繋いじゃってもうラブラブじゃん!」

美菜のその言葉で顔が赤くなる。

「やっと、2人とも仲直りできたか」と琉輝くん。

「ほんと、ごめんね。たくさん迷惑かけて」

そう謝ると「そんなのいいよ!」と琉輝くんは笑い飛ばして「また、蒼ちゃんと一緒に過ごせることできて嬉しいよな? 陽向!」とからかうように陽向の髪をわしゃわしゃとする。

「あっ、ちょっ、やめろ〜!」

うろたえる陽向。

不覚にも可愛いと思ってしまう。

そんな2人の姿を微笑ましく見ていると、私の肩に美菜の手がポンっと乗った。

「蒼、良かったね! 陽向の彼女になれて」

美菜のその言葉に嬉しくなって、私は笑顔で頷いた。

こうして4人集まって話すのは1ヵ月ぶりなのに、その空白にあった時間はまるで嘘だったかのように私たちの絆がさらにもっと強く深くなってきている気がする。
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