桜の花びらが降る頃、きみに恋をする

「そのあとすぐに、たまたまその場に居合わせていた陽向くんのご両親が駆けつけてくれて必死に措置をしてくれた。病院に運ばれた時には、もう天国に行っちゃったけど‥‥‥その後、そこの総合病院で働いているお医者さんと看護師さんと分かって、陽向くんのお父さんが私に伝えてくれたの。『即死に近い状態なのに、僅かに意識があったのが奇跡。必死で生きようとしてたんじゃないか』って」

お父さんは、生きることを諦めてなんかいなかった。

傷だらけになりながらも必死で生きようとしてたんだ。

お父さんが命をかけて守ってくれたこの命を大事にしたい。

「それにね、陽向くんも事故直後の時、真っ先に蒼の元へ駆けつけてくれて蒼が起きるまで必死に名前を呼んでたのよ。その後も、病室で眠っている蒼の傍にいてくれていたの凄く覚えてるわ」

ふふっとお母さんは笑う。

「ほんと、この町に引っ越して来て正解だったね。陽向くんが蒼を明るい方向に導いてくれた」

お母さん、前に言ってたっけ。

この町に引っ越ししたもう1つの理由。

ーー『あの子なら蒼を明るい方向へと変えてくれそうな気がしたの』

その言葉通り、陽向は私を変えてくれた。

「蒼、陽向くんを一生大切にするんだよ」

「うん!」

お母さんの言葉に、私は大きく頷いた。
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