桜の花びらが降る頃、きみに恋をする

太陽が沈み、辺りが徐々に薄暗くなる。

イルミネーションの点灯式まで、もう少し。

大きなクリスマスツリーの前に陽向と並んで、今か今かと待ち構える。

しばらくして、アナウンスとともにカウントダウンが始まった。

「イルミネーション点灯まで‥‥‥5、4、3、2、1、点灯!」

合図とともに、景色がみるみるうちに色鮮やかに輝いた。

至るところに、イルミネーションの光。

色さまざまでピカピカと美しく光り輝く。

目の前には、煌めく光に包まれたクリスマスツリー。

てっぺんにはキラキラと光る1番星。

「うわ〜! 凄く綺麗!」

とてもロマンチックで心が躍る。

「この景色ずっと蒼に見せたかったんだ」

陽向は、私を見て笑顔を浮かべる。

目が合ってお互いを見つめ合う。

まるで、時が止まったみたいだ。

そんな中、ひらひらとなにかが空から降ってきた。

顔を上げると、白い結晶が舞い降りていた。

「雪だ!」

「ホワイトクリスマスだね」

そう言って陽向も空を見上げる。

ーー『きっと、蒼のお父さんは空の上で優しく見守ってくれているんじゃないかな』

雨上がりに虹がかかった時も、夜空に綺麗な花火が上がった時も、紅葉に移り変わった時も、いつだってお父さんは優しく見守ってくれているんだって分かったんだよ。

それを教えてくれたのは陽向だから。
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