桜の花びらが降る頃、きみに恋をする

「蒼!」

声がして振り返ってみると、

「うわっ‥‥‥‼︎」

階段の下には、走ってきたのか息を切らした陽向くんがいた。

驚きのあまり、思わず変な声がでてしまった。

「蒼、びっくりさせてごめん」

「う、ううん! でも、なんで?」

さっき、“学校行くから待っててね”とメッセージを返したはずなのに。

「蒼に会いたいあまり、待ちきれずに来ちゃった!」

「〜〜〜〜っ‼︎」

な、なんて可愛いこと言うの⁉︎

とってもかっこいいのに、不意に見せる可愛い一面。

そのギャップに、心臓をズキュンと撃ち抜かれた。

せっかく風邪が治ったのに、また熱がでたんじゃないかってぐらい体が熱い。

陽向くんの言葉に、ドキドキしてる自分がいる。

「蒼、大丈夫? まだ、熱あるんじゃない?」

陽向くんは、風邪のせいだと思っているみたい。

まぁ、そのほうが断然いいんだけど!

この前のおでかけ先といい、2度目となる不意打ちを食らった私は、おぼつかない足取りで階段を降りる。

「も、もう風邪治ったから大丈夫だよ」

「でも、まだ病み上がりでしょ。治りかけが1番肝心なんだよ?」

そう心配してくれる陽向くん。

まるで、お母さんみたいだ。

「本当に、大丈夫だから‥‥‥って、きゃっ!」

階段から足を踏み外してしまい、バランスが崩れる。

やばい‥‥‥!

落ちる!

「蒼っ‼︎」

目の前には、咄嗟に手を広げた陽向くんの姿。

ぶつかっちゃう!

「‥‥‥っ!」
< 87 / 209 >

この作品をシェア

pagetop