学園怪談
 ……朝日の注ぐ教室には、もうどんよりした空気は無くなっていた。無事に怪談は終了した。私は足元に擦り寄ってきたモミを抱き上げると、最後に教室を出た。
「あ、そうだ」
 先頭にいた淳さんが振り返り、私に声をかけてきた。
「どうしたんですか?」
「いや、僕達の話した怪談を何かで発表したり、人に話すつもりなら気をつけてね」
「……?」
 淳さんの言った言葉の意味がわからず黙っていると。
「怪談はね。人から人へ語り継がれることで数も質も増していくんだ。そして、最後には人智を超えた恐ろしいことが起こる。今回は何も起きなかったけれど、今後も怪談に関わるつもりなら、その覚悟はしっかりと持つんだよ」
 私はしばらく動けずに立ち止まっていた。そして、朝日に飲み込まれるようにして消えていく6人を見ていた。
「みなさん、ありがとうございます。またいつか……怪談話を聞かせて下さい」
 私はドキドキと高鳴る鼓動の理由を考えていた。怖い……だけじゃない。怪談に潜む恐怖をもっと覗き見たい、肌で感じたい。素直にそう思ったのだ。
……でも、今は少し休もう。
……怖いもの見たさが、再び私を怪談の世界へと歩ませるまで。
      
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