君が生きていれば、それだけで良かった。
「まだ若いのに……」
そう呟く男性医師の隣に立つ。私は今、病院へと緊急搬送され治療を受けた末に、ベッドで横になりこんこんと眠る私を見下ろしていた。
窓辺の向こうには川が見えて、手に力が籠る。
自分が招いた状況が、理解できていない。手首を切って意識が途絶え、気が付けば目の前にはベッドで寝かされる私の身体があった。
一方の私といえば朝に着ていた服のまま、病室で私を診る医者、看護師に認識されることなく、自分の身体の傍らに立っている。