彼女の居場所外伝 ~たんたんタヌキ~
Last Episode  彼の居場所


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喉の渇きを覚えて目が覚めた。

辺りはまだ暗く、朝はまだ遠い。

水を飲みに行くために身体を起こすと、隣で寝ていた愛しいひとが「んっ」と声を漏らした。

くっついて寝ていたから身体が離れたことで寒かったのかもしれない。
春とはいってもまだ夜は冷える。
隙間を埋めるように自分のぬくもりの残る布団を巻き付けてやると安心したように規則的な寝息に変わった。

そんな彼女の姿を見て安堵の息が漏れる。

彼女がここに居ることに。
彼女を失わずに済んだ幸運に。






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