愛のない結婚のはずが、御曹司は懐妊妻に独占欲を放つ【憧れの溺愛シリーズ】
わたし森 寿々那(もり すずな)は、大学を卒業と同時に渡英し、ロンドン郊外のハーブ農園で働き始めた。

大学では、植物とはまったく関係のない『西洋文学』を専攻していたが、お話の中に出てくる『魔女』や『薬草』が大好きだったことから、ハーブの栽培やその効用に興味を持ったのがきっかけ。独学であれこれと調べるうち、沼にハマるようにその魅力にとらわれていった。

だけどそれはあくまで趣味。
本来ならロンドンに来る予定などまったくなく、普通に日本で就職するはずだったのだ。

両親もそれを待ち望んでいたし、わたしもそれを表立って嫌がったりはしなかった。自分がやりたいこととたとえ違っていても、両親の望みを叶えることが正しいのだと自分では思っていたから。
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