香澄side 最初のものがたり
教室でも部活でも平穏な日々が流れた。
本当の気持ちを出せた事で、
リサ達ともいい距離感でいい関係になれた。
全て佐藤くんのおかげだ。
佐藤くん。
あの日から、気がつくと目で追ってしまう。
なんかいつも抜けていて、ぽやんと
しているのに、野球では人が変わったかのように
男の子の目付きになる。
誰にでも優しくて正義感も強くて、
彼の周りには独特な時間と雰囲気が流れてる。
こんな人、初めてだ。
気になる。
あの日、チェリーカフェで見た、女の子。
桜高校の制服を着ていた。
きっと彼女だよね。
聞いてみたい。
思い切って部活後の帰り道で聞いてみた。
「うん?あぁ、あのカフェ、立川さんも
行ったの?おいしかったよね、俺、甘いもの
大好きなんだぁ」
いや、だから、違うの。
彼女かって、聞いたのに!
「女の子と一緒だったよね、桜高の」
それでもパンケーキの感想を続ける。
わざとなの?
「うん、いちごのが1番かなぁ。なぁなは
栗がおいしいって言ってたけど。」
なぁな・・・。
「あの、その、なぁなって子はさ・・・。」
不思議と言葉が出てこなかった。
何故か聞くのが怖くなった。
でも、そういう時は逆にスルッと答える。
「うん、なぁなは俺といつも一緒なんだ。
好きな物も一緒なんだよね。」
そっか、やっぱり、彼女なのね。
少し胸がチクッとした。
「大事な友だちなんだ」
え。
友だち?
「友だち?友だちなの?彼女でしょ、恋人」
はっきり言わないと、佐藤くんには伝わらない。
「恋人なんだよね?」
念を押して聞いた。
「違うよ、友だちだよ。なぁなは特別な
友だちなんだ」
ほっとしたような、引っかかるような。
特別な友だちって何?
「それって好きって事でしょ。」
ニコニコ笑って頷く。
「うん、大好き。」
ほら、やっばり、好きなんじゃない。
また胸がチクチクして辛くなる。
「でも、俺、立川さんも好きだよ。」
え。
何?
「それって、どういう意味?」
思い切って聞いた。
佐藤くんには遠回しは無理だ。
「うん?なぁなも立川さんも、
みんな好きだよって事。」
どういう事なんだろう。
分からない。
「ねぇ、佐藤くんはさ、なぁなさんと、
恋人として付き合いたいって、思う?」
これなら、分かるだろう。
「ううん、そういうのはないよ。
なぁなは大事な友だちだもん」
分かった。
佐藤くんはさっきから真実を話していたんだ。
なぁなって子はきっと、本当に友だちだ。
だけど、彼女の方はどう思っているんだろう。
あんなに走って急いで会いにきました。って
雰囲気だったし、好きなのかもしれない。
やだって思った。
佐藤くんを渡したくない!
何がどうして、どこで好きになったのか
分からないけど、佐藤くんを誰かに
取られたくない。
なぁなさんでも嫌!
どうしょう、また知らない私が出てきた!
こんなに独占欲あったの、私?
でも佐藤くんだけは嫌。
もっと距離を詰めたい。
あざとくてもなんでもいい。
とにかく佐藤くんには、
ストレートじゃなきや
伝わらないから。
「佐藤くん、私の事、香澄って呼んで。
佐藤くんの事はツバサくんって、呼んでもいい?」
普通の男の子はこんな事を言われたら
ドキドキするし、気持ちに気がつく。
でも佐藤くんは全く気がつかない。
「うん、いいよ香澄ちゃん。」
そう言ってニコニコ笑う。
ゆっくり距離を詰めて行くから。
私が初めて欲しいって思ったんだもん。
誰にも負けない!
本当の気持ちを出せた事で、
リサ達ともいい距離感でいい関係になれた。
全て佐藤くんのおかげだ。
佐藤くん。
あの日から、気がつくと目で追ってしまう。
なんかいつも抜けていて、ぽやんと
しているのに、野球では人が変わったかのように
男の子の目付きになる。
誰にでも優しくて正義感も強くて、
彼の周りには独特な時間と雰囲気が流れてる。
こんな人、初めてだ。
気になる。
あの日、チェリーカフェで見た、女の子。
桜高校の制服を着ていた。
きっと彼女だよね。
聞いてみたい。
思い切って部活後の帰り道で聞いてみた。
「うん?あぁ、あのカフェ、立川さんも
行ったの?おいしかったよね、俺、甘いもの
大好きなんだぁ」
いや、だから、違うの。
彼女かって、聞いたのに!
「女の子と一緒だったよね、桜高の」
それでもパンケーキの感想を続ける。
わざとなの?
「うん、いちごのが1番かなぁ。なぁなは
栗がおいしいって言ってたけど。」
なぁな・・・。
「あの、その、なぁなって子はさ・・・。」
不思議と言葉が出てこなかった。
何故か聞くのが怖くなった。
でも、そういう時は逆にスルッと答える。
「うん、なぁなは俺といつも一緒なんだ。
好きな物も一緒なんだよね。」
そっか、やっぱり、彼女なのね。
少し胸がチクッとした。
「大事な友だちなんだ」
え。
友だち?
「友だち?友だちなの?彼女でしょ、恋人」
はっきり言わないと、佐藤くんには伝わらない。
「恋人なんだよね?」
念を押して聞いた。
「違うよ、友だちだよ。なぁなは特別な
友だちなんだ」
ほっとしたような、引っかかるような。
特別な友だちって何?
「それって好きって事でしょ。」
ニコニコ笑って頷く。
「うん、大好き。」
ほら、やっばり、好きなんじゃない。
また胸がチクチクして辛くなる。
「でも、俺、立川さんも好きだよ。」
え。
何?
「それって、どういう意味?」
思い切って聞いた。
佐藤くんには遠回しは無理だ。
「うん?なぁなも立川さんも、
みんな好きだよって事。」
どういう事なんだろう。
分からない。
「ねぇ、佐藤くんはさ、なぁなさんと、
恋人として付き合いたいって、思う?」
これなら、分かるだろう。
「ううん、そういうのはないよ。
なぁなは大事な友だちだもん」
分かった。
佐藤くんはさっきから真実を話していたんだ。
なぁなって子はきっと、本当に友だちだ。
だけど、彼女の方はどう思っているんだろう。
あんなに走って急いで会いにきました。って
雰囲気だったし、好きなのかもしれない。
やだって思った。
佐藤くんを渡したくない!
何がどうして、どこで好きになったのか
分からないけど、佐藤くんを誰かに
取られたくない。
なぁなさんでも嫌!
どうしょう、また知らない私が出てきた!
こんなに独占欲あったの、私?
でも佐藤くんだけは嫌。
もっと距離を詰めたい。
あざとくてもなんでもいい。
とにかく佐藤くんには、
ストレートじゃなきや
伝わらないから。
「佐藤くん、私の事、香澄って呼んで。
佐藤くんの事はツバサくんって、呼んでもいい?」
普通の男の子はこんな事を言われたら
ドキドキするし、気持ちに気がつく。
でも佐藤くんは全く気がつかない。
「うん、いいよ香澄ちゃん。」
そう言ってニコニコ笑う。
ゆっくり距離を詰めて行くから。
私が初めて欲しいって思ったんだもん。
誰にも負けない!