再会したのは、二度と会わないと誓った初恋の上司
2人で朝食を食べた後、シャワーを浴びてクリーニングから帰ってきた服に着替えて、彼女を送って行った。


玄関先まで出てきた副院長夫人は困ったような顔で迎えてくれた。

「帰りが遅くなってすみません」
頭を下げる俺に、
「できればもう少し早く帰してください」
遠慮がちに言われてしまった。

きっと心配して待ってくださったんだろうと思うと申し訳ないが、俺だって覚悟の上。後悔する気はない。

「新太先生、ありがとうございました」
さすがに呼び捨てにはできないようで、恥ずかしそうに俺の名前を先生呼びする環。

「うん、環もゆっくり休んで」
「はい」

週明けには副院長に呼ばれているからきっと苦言を言われるのだろうが、今は何も怖くない。
この時の俺は少し浮かれていた。
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