再会したのは、二度と会わないと誓った初恋の上司
「今は、先生なんて呼ばないでください」

完全に素の状態で『先生』なんて呼ばれれば恥ずかしいに決まっている。もちろん俺もそれを承知で呼んだんだ。

「じゃあなんて呼ぶんだ?」
「それは・・・」
真っ赤になったまま顔を上げようとしない彼女。

「環ちゃん?環?環さん?俺はどれでもいいよ。その代わり君も同じように呼ぶんだぞ」
「そんなぁ」
「ちなみに、兄貴の嫁さんは兄貴のことを影でボスって呼ぶんだ。以前部下だった時の名残なんだろうが、時々本人に向かって言って叱られている」
「ふふふ、かわいい」
「だな。で、君はなんて呼ぶんだ?」

「・・・環で、お願いします」
恥ずかしそうに、でもはっきりと言った。

「わかった。じゃあ、環も俺のことを名前で呼ぶんだぞ」
「・・・はい」

うーぅん、かわいい。
普段とのギャップにやられる。
俺は抱きしめたいのを必死に我慢した。
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