再会したのは、二度と会わないと誓った初恋の上司
「あぁー、疲れた」
30分ほどして、コンビニの袋を抱えた敬が休憩室に入ってきた。

「お疲れ様」
少しだけ椅子を動かして、敬の座るスペースを作る。

フーン、今日のお昼はコンビニおにぎりとから揚げか。
もっと野菜をとりなさいよって言いたいところだけれど、私もサンドイッチだけだから人のことは言えない。
もちろん救急外来だって、事前に注文すれば出前を取ることも院内の食堂からお弁当を配達してもらうこともできる。けれどいつ食べられるかわからない救急のランチはコンビニのおにぎりかサンドイッチくらいがっちょうどいい。

「飯食べ終わったんなら、デザートにプリンがあるぞ」
「本当?」
「救命部長の神戸土産。冷蔵庫にあるからどうぞ」
「ありがとう。でも私までいただいていいの?」
「ああ、どうせ俺食わないし」

そうか、敬って甘いもの苦手だった。
男の人って甘いものダメな人多いよね。なんでだろう。
副院長もお土産によく買って帰るくせに自分では食べないし。
でも、皆川先生はプリンが好きだった。
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