エリート脳外科医は契約妻を甘く溶かしてじっくり攻める
 翌日の今日は日曜日。

 昨日は、文くんを見送った後、私は部屋で横になって休んでいた。夜になる前に文くんから《これから帰る》と電話がきて、一緒に夕食を食べた。

 今朝、文くんは仕事に行った。元々シフトがそうだったらしい。

 日勤の流れで当直、明日も午前中まで外来という流れだと言っていたから、器楽するのは月曜の午後だ。

 午前中は、掃除や洗濯をした後、リビングで仕事に没頭する。

 お昼は自分ひとりだけだからと簡単に済ませ、コーヒーを飲みながらすぐに執筆の続きに戻る。
 きりのいいところで一度ノートパソコンを閉じた。

 ふとアドベントカレンダーに目線を向ける。

 クリスマスイブまで一週間を切った。

 昨日、街に行ってから気付いた。せっかく両想いになって――結婚して、初めてのクリスマスを過ごすのだから、ちゃんとしたプレゼントを用意したい。

 ただ文くんに喜んでほしいって気持ちはあるものの……なにをプレゼントしたら喜んでくれるんだろう?

 アドベントカレンダーをジッと見つめたまま、考えを巡らせるもピンと来ない。

 私はさっき閉じたばかりのノートパソコンを再び開いて、ネットで情報収集をし始める。
 色々なキーワードを入れ替えたりして、検索に集中する。

 大体上位に来るもの……腕時計とかお財布、キーケース……。
 どれも文くんきちんとしたもの持ってそう。

 あとは冬ならではのマフラーや手袋など……身につけるもので言ったら、ネクタイもランキングにはあった。

 でも、そういうものって、好みに左右されそうだし……。となると、無難なのは……ボールペン? 仕事柄絶対に使うし、一本増えても負担にはならなそうではある。だけど、地味かなあ……?

 無意識に「んー」と唸りながら、ノートパソコンの画面を見続ける。

 数分後、私はノートパソコンを閉じると椅子から立ち上がった。
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